だらだらブログ

なんかゴミです。

【だら草011】なぜ記事に時的要素を入れた方が良いのか?

 

 記事を書く際に私が気を付けていることの一つとして、「時的要素をなるべく入れる」というものがある。

 時的要素を入れるとは、物事の先後や因果関係を明確にしたり、時系列に沿った展開になるよう構成を整序することだ。

 では、なぜ時的要素を入れた方が良いのだろうか?

 時的要素を入れるメリットの一つとしては、ストーリーテリング (物語化) が容易になる、という点が挙げられる。

 何らかの定理の証明を行うものであったり論文として執筆する必要があるものだったりするのであれば話は別だが、そうでもない限り、記事というものは必ずしも100%客観的に書かれている必要はない。ライターは自らの記事をなるべく面白く読んでもらうための工夫をするべきで、そしてそうであるからこそ例示・強調・反復・疑問などありとあらゆる文章技法上の手練手管を尽くして、読者に「ああ、この記事は面白かったな」と印象付ける必要がある。

 その点、記事を物語化するというのは、読者に記事を面白く読んでもらうための最たる手法であると言える。なぜなら、人は何ら関係のない2つの事象ですらも因果関係があるものとして結びつけてしまうほど因果関係を重視する習性がある。したがって、出来事を原因 (先の事象) と結果 (後の事象) という形で語られると、収まりがいいものとして無意識のうちに受け入れてしまうからだ。

 たとえば、「その日は雨が降っていた。気分で水文明のデッキを使うことにした。」というのは小説調の客観的な描写だが、「その日降っていた雨が天啓をもたらした。雨=水文明。すなわち水文明のデッキを使えという神の意志。天が私の勝利を約束したのだ。」という風に、「天気」という事象と「デッキ選択」という事象を結びつけて書けば物語になる。

 また時的要素の役割はこうした事象の結びつけだけに限らず、記事全体の段落構成も時系列に基づいて整理すると読みやすい記事になることが多い。たとえば「1.デッキリスト紹介 2.各カードの採用理由 3.各対面ごとのプレイング」という段落分けの記事があったとして、この記事は「粗い→細かい」という風に概念の粒度の順番で段落構成されており、それ自体はよく整理された区分ではあるけれども、このままでは完成形に対する説明に終始することになるため、「時」という概念が存在しない、「時が止まった記事」になってしまう。

 そこで、「1.デッキが出来た経緯 2.各カードの採用に至った経緯 3.各対面ごとのプレイング」というように1段落目と2段落目に「時」の概念を織り込むことで記事にダイナミズムが生まれ、より読者の興味と問題意識に沿った内容であるかのようにデコレートできるのだ。

 時的要素を意識して書くことで、記事のクオリティは明確に上昇する。段落構成に迷ったときなどは、まずは時間という芯を一本通すことから考え始めるといいだろう。

Q.なぜ記事に時的要素を入れた方が良いのか?

A.記事の物語化が容易になり、読者に面白さを印象づけやすいから。

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 Eve「ラストダンス」

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