【お知らせ】来週の3月9日(日本時間3月10日)に禁止制限告知が行われます。以前お知らせした通り、今後の禁止制限告知については今回のような事前予告が実施される予定です。 https://t.co/WSkdvCmYpZ
— マジック:ザ・ギャザリング (@mtgjp) March 3, 2020
不定期にすることを発表した禁止改定をこのタイミングで「やります」と発表する以上、4月下旬のプレイヤーズツアーファイナルに備えてパイオニアの《真実を覆すもの》を禁止しておくというのが本命だが、どのフォーマットも大型イベントが少ない時期を見越してやっていると考えると、モダン・レガシー・ヴィンテージ・Pauperと全フォーマットにわたって一気にテコ入れを行うことも考えられる (スタンダードだけは性急な禁止の必要はないであろう)。
さて、ではモダンでは禁止改定が行われるのだろうか?そして、行われるとしたら何が禁止になるのだろうか?
これについては、あくまでも私個人の見解だが、《むかしむかし》が禁止になる可能性が高いと考えている。
こちらは《オパールのモックス》禁止後のモダンチャレンジ・PTQ・ショーケースチャレンジの結果をまとめたものだが、環境が進展するにつれアミュレット (+ターボ原野) とエルドラージトロンの2強環境に近づいているのが見て取れると思う。
これらのデッキに共通するのは、《むかしむかし》を4枚採用していることだ。
アミュレットにおける《むかしむかし》は、「都合の良い土地をサーチしつつ後半は《イリーシア木立のドライアド》《原始のタイタン》になるカード」という、《古きものの活性》ではなしえない唯一無二の役割を果たしている。
またエルドラージトロンにおける《むかしむかし》は必ずしも必須パーツというわけではないが、「3ターン目《難題の予見者》 or ウルザ揃え」というブン回りパターンに大幅に寄与している。
よって《むかしむかし》を禁止することで、トップメタ2つのぶん回りパターンを減らし、力を削ぐことができる。ついでに健全とは言いがたいネオブランドにも打撃を与えられるほか、《むかしむかし》の禁止によって消滅するアーキタイプはないと考えられるので、禁止を躊躇う理由はまずもってないはずだ。
他方、その他のカードを禁止する可能性については、環境の上位デッキに共通した採用カードなどはそこまで見られないため、必要性がないものと考えられる。
また、解除の可能性についても一応考察しておこう。
現在までのモダンの禁止カード29枚を、私の主観で危険度別に4つのレベルへと分類してみた場合、以下のようになる。
S (マジックじゃなくなるので絶対解除しちゃダメ) :《雲上の座》《ウギンの目》《暗黒の深部》《ギタクシア派の調査》《精神的つまづき》《師範の占い独楽》《垣間見る自然》《戦慄の復活》《炎の儀式》《金属モックス》《猛火の群れ》《甦る死滅都市、ホガーク》
A (これがあってもぎりぎりマジックではあるけどできれば解除しない方がいい) :《宝船の巡航》《時を越えた探索》《緑の太陽の頂点》《花盛りの夏》《死儀礼のシャーマン》《黄泉からの橋》《煮えたぎる歌》《王冠泥棒、オーコ》《第二の日の出》《クラーク族の鉄工所》《欠片の双子》《出産の殻》《オパールのモックス》《信仰無き物あさり》《罰する火》《ゴルガリの墓トロール》+アーティファクト土地
B (ワンチャン解除できるけどちょっと危ない) :《頭蓋骨絞め》
C (ぶっちゃけ解除できる) :《定業》《思案》《超起源》《梅澤の十手》《マイコシンスの格子》
こう見るとCランクで解除しても良さそうなカードが5枚もあることになるが、他方でそもそも「適切な解除タイミング」とはいつかと考えてみると、健全かつ安定した環境だからこそ解除による混乱を吸収しうるバッファがあると考えられるのであって、逆に言えば環境が不健全だったり不安定だったりするときは解除するべきではないという結論に至る。
そこで現在の環境について鑑みるに、アミュレットとエルドラージトロンの2頭体制は土地コンボの過度な専横という事態を表しており、ビート→ミッドレンジ→コンボ→コントロールというメタゲームの回転という観点からすれば、 (それがこれまでモダンにおいて実現されたことがあるかどうかはさておき) 少なくとも健全とは言いがたい。
したがって解除が予想されるカードはなく、《むかしむかし》の禁止のみというのが私の個人的な予想である。
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ヰ世界情緒「物語りのワルツ」