だらだらブログ

なんかゴミです。

【だら草051】モダン版スパイについて

 アドグレイスについての記事を書こう書こうと考えていたら、あっという間に『ゼンディカーの夜明け』が発売して環境が変わってしまった。

 さてそんな中で今回は、先日のモダンチャレンジで準優勝という成績を残すことができたモダン版スパイについて、基本はkanisterのレシピでほぼ完成してはいたものの自分なりの微調整を施した部分について、時期が旬のうちに解説しておこうと思う。

■ 1. マナベース

 私がkanisterのリストから最も多くの変更を加えた部分は、実はマナベースである。

 kanisterは黒タップインだけ2枚採用しているものの、その他はテンポロスを嫌ってアンタップインを優先している。しかしその結果、黒マナが14枚とかなりギリギリの枚数になってしまっていた。相手が慣れているなら《五元のプリズム》や《反発のタリスマン》は《否定の力》で消されうるため、土地として置ける黒マナは余裕を持って確保しておきたいところである。

 したがって私は黒タップインを5枚まで増量し、黒マナの総数を16枚まで増やした。もともとこのデッキは1ターン目にやることはほとんどない。《思考囲い》を採用しているとそうでもないが、どの道このデッキに《思考囲い》は合っていないと感じたので (理由は自由枠の部分で後述) 、やはりタップインで問題ないと判断した。

 増量した黒タップインの中では、手札破壊として素打ちもできる《ペラッカの捕食》が優先されることについては特に異論はないだろう。

 アンタップインの中で優先的に削られるのは赤神話で、理由は《猿人の指導霊》と一緒に引いたときに《五元のプリズム》にカウンターが2つ乗らないためである。青神話と白神話の枚数については、どちらも色マナとしての使い道はほぼないので、同様に《五元のプリズム》のために色が散りやすいよう3枚ずつの採用とした。

 1枚だけ《絡みつく花面晶体》が入っているのは、《反発のタリスマン》を1枚削っておりサイドに《自然の要求》を採用している関係上、緑マナを気持ちだけ確保しておきたかったからである。うっかり素出しできればマナ加速の代替になりうるので、緑タップインの中では一番まともなカードだろう。

 《反発のタリスマン》が削られているのは、後述の自由枠を作る上で最も優先度が低いカードだったからである。このデッキは3ターン目までに黒含みの4マナを作ることを目標にするわけだが、《猿人の指導霊》も合わせるとブーストが12枚も入っているのは明らかに過剰であり、それもkanisterのリストではマナベースの補正の役割も担っているためフル採用にせざるをえないわけだが、タップイン土地を許容したことで黒マナの枚数に余裕ができているため、1枚削れると判断した。

■ 2. 自由枠

 このデッキのメインボードには、《思考囲い》が入っている部分と抜いた《反発のタリスマン》1枚分で計5枚の自由枠がある。このスロットにどんなカードを採用するべきか。

 私の場合は少し一人回しをした結果、まず少なくとも《思考囲い》ではないという結論に至った。

 3ターン目に発生する4マナはコンボ始動のために全て費消するので、このデッキが自由に使えるマナは1ターン目と2ターン目にしか生まれない。そして1ターン目に《思考囲い》を打てるアンタップインの土地は《アガディームの覚醒》4枚のみでほぼ打てず、2ターン目も《猿人の指導霊》パターンか《反発のタリスマン》を引けているなら余裕があるものの、《五元のプリズム》の場合は3枚目のアンタップイン土地を追加で要求することとなってしまう。このマナの余裕のなさが理由の第1点。

 そして2点目は、現在の環境のトップTierが赤黒果敢シャドウであることからすると、《思考囲い》の2点とそのためにアンタップインするであろう土地の3点、計5点は到底許容できないという部分、すなわちライフの余裕のなさにある。

 さらにこう考えたとき、そもそもこの自由枠にマナがかかるカードを入れたとしても十分には機能しないという解が見えてくる。

 したがってどの道75枚の中には4枚ずつ入れるであろう《否定の契約》か《神聖の力線》かの2択になるわけだが、前述のとおり赤黒果敢シャドウがトップメタであることに鑑み、またデッキの構成上それでなくてもハンデスは土地を抜かれて致命傷になりうるため、《神聖の力線》を優先して採用することにしたわけである。

■ 3. サイドボード

 このデッキのサイドボードを作るにあたっては、コンボ達成が不可能な状況を4パターンほどまずは想定し、それを解決しうるカードを4:4:4:3で入れるというのをスタートラインにした。

 不可能状況のその1はシンプルに《墓掘りの檻》や《安らかなる眠り》などの置き墓地対策を設置される場合で、これは《自然の要求》で事足りる。

 不可能状況のその2は《翻弄する魔道士》や《封じ込める僧侶》などの生き物コンボ対策を設置される場合で、これは《ゴブリンの放火砲》でかわすことができる。

 不可能状況のその3は《マナ漏出》《差し戻し》《謎めいた命令》などのカウンターでしのがれる場合で、これも《否定の契約》で打開できる。

 不可能状況のその4は少し複雑だが、クロック+手札破壊+墓地対策のようにスピードと多角的な妨害を兼ね備えた赤黒果敢シャドウのようなデッキに対し、墓地対策の効かない《ゴブリンの放火砲》を設置できたとしても返しでライフが削りきられてしまう場合を想定し、《仲裁の契約》を採用することにした。が、この用途なら《否定の契約》でも近い役割は果たせるし、いずれにせよ活躍の場面がかなり限られるので、入れるにしても1~2枚程度が妥当だっただろう。

 最後に不可能状況のその5は《浄化の野火》《暗殺者の戦利品》《幽霊街》による土地破壊を受ける場合で、さすがに2ターン目から《露天鉱床》を連打されては勝ちようがないとはいえ、土地を入れられないデッキの構造上回避しようがないとも思われたが、既存のリストでサイドに基本土地を採用しているものがなかったので、1枚だけ入れておけば裏をかけると判断して《山》を採用することにした。

 《山》は《ゴブリンの放火砲》とセットで入れるので、もし土地破壊されなかったとしても《ゴブリンの放火砲》さえ起動できれば8~9枚めくるだけで勝てるのでそう分の悪い賭けにはならないというわけである (ただし土地破壊を受けずにかつスパイしか引けていない場合は自滅するので、そもそも土地破壊を受ける確率が高い相手にしかサイドインしてはいけない)。

 ……と、そんなわけで冒頭のリストができあがったわけである。サイドの《仲裁の契約》の部分は、とりあえず《否定の契約》だけは3枚に増量した方がいいものの、他はしっくりくるものが見当たらないため、皆さんの考える不可能状況に合わせて適切なカードを採用してもらいたい。

 それでは、良いスパイ生活を。

            ◇

 Today's Tune

 Kizuna AI × 花譜「ラブしい」

https://www.youtube.com/watch?v=u4PUwnItinY

【だら草050】ゼンディカーの夜明け注目カード

 

 さて今回は、カードリストが出た「ゼンディカーの夜明け」の中から、主にパイオニアやモダン視点で活躍する可能性があるカードをいくつかピックアップしたので、そちらを見ていこうと思う。

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 え、こんなに強い《弁論の幻霊》おる???《稲妻》で落ちるのはマイナスだが、特殊地形タップインはメインにフル投入しても腐らなさそう。白単デスタクを強化しそうな1枚。

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 《悪鬼の狩人》から始まったこのシリーズの中では、《拘留代理人》ほどの万能感はないものの、対象になるマナコストが4以下に制限されているとはいえアーティファクト、エンチャント、プレインズウォーカーも追放できるのでかなり強い部類。おまけに除去されても帰ってくるのはそのものではなくてゴミみたいなトークン。デッキの色や環境によっては《拘留代理人》ではなくこちらを使うケースもありそう (具体的には《霊廟の放浪者》《鎖霊》などで種族シナジーがあるスピリットなど)。

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 フェッチ (相手のターンに起動すればいいだけだが行動は縛れる) や《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などによるマナ加速対策になる土地対策サイドボード。トロンは咎められないのがマイナスだが、カード引けるし自分には効果がないのでモダンのコントロールがメインに数枚入れてもおかしくはない。

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 『ゼンディカーの夜明け』にはライブラリーアウト系ギミックが多数収録されているが、どれも対戦相手しか対象にとれないため、エターナルフォーマットでの活躍は基本的には期待できない。しかしそんな中でもこのカードだけは、5~8枚目の《面晶体のカニ》としてモダンのライブラリーアウトにそのまま搭載されるであろうカードとなっている(あと地味に白力線も突破できる)。役割は本当にそれだけで発展性は皆無だが、即戦力なことだけは間違いない。

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 ついに黒単色で (ライフは失うが基本的には) 何のデメリットもなくエンチャントを割れる時代に。この恩恵は特にエンチャントを苦手としていた赤黒というカラーリングにおいて強く受けられるものと思われ、モダンの赤黒果敢のサイドボードなどには1枚程度採用が検討されることだろう。

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 黒い《広がりゆく海》……とまではいかないが、ウルザ土地や《エルドラージの寺院》、《死者の原野》《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》といった特殊な土地を潰す限りにおいては同様の機能となる。また、いざとなれば自分の土地につけて《マナの合流点》として運用するというのも面白い。何かしらの使い道がありそうなカード。

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 白い赤い《ステップのオオヤマネコ》!いや、マジでそれだけだけど。一応、赤単で1マナパワー4になりうるカードが入ったのはモダンでほんの少しだけ変化があるか。ただどちらかといえば、同じセットに土地戻し《ゴブリンの先達》くんがいるので組み合わせて使おう的な。

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 両面カード以外では個人的にこのセットで一番とんでもないカード。キャントリップが付いてるのがマジで意味不明。《レオニンの裁き人》っていうカード知ってますか?その気になれば《エイヴンの思考検閲者》とかも積めるんですが。自分の《トロウケアの敷石》に打ってマナ加速する運用もあり、《爆裂+破綻》とかと組み合わせてみても面白いかもしれない。

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 1ターン目に出して打点にならない時点でメインアタッカーにはなりえないが、「1+1+1」を追求した土地18枚デッキなどにおける最後の「1」としては優秀なカード。また、両面カードを回収して呪文として再活用することなども考えられる。ほか、《エンバレスの宝剣》が強いスタンダードではテンポ的に重宝するかも。

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 今回初登場の「裏面が土地の両面カード」。「パーティー」「キッカー」「上陸」といった他のキーワードがどちらかといえばリミテッド向きなのに比べ、これらのカードは構築向きな上にそもそもコンセプト上強く、実質セットの目玉と言っていい。

 カードの評価は難しいが、神話レア以外は土地面がタップインなので土地メインとして見ると弱い。なので特殊な事情 (ベルチャーやザ・スパイなど) がない限りは、逆説的に「表面が限りなく一人前に近いカードがたまに土地として置けるようなら強い」という評価基準になるだろう。

 そうした観点で見たとき、このカードは(サイクリングできたりはしないので)《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の「脱出」の助けにこそならないものの、《検閲》に近い機能を果たすことが期待できるので、構築でも活躍が期待できそうである。

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 上のカードと同様。どちらかといえばこちらは一人前と呼べるかかなり怪しいスペックだが、両面カードの強さ的にはこれくらいでもいける可能性はある。重要なのは手札内の土地と呪文の割合が行動回数=ゲームの主導権争いに直結する序盤に行動の選択肢になるかどうかということなので、表面が軽くてプレイアブルであることはかなり重要になると思われる。

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 マナコストを軽く寄せて土地を絞った赤単だと意味のないカードだが、4マナや5マナを搭載したビッグレッド的な構成だとあまりにも裏目がなくて強い。もちろん環境的に1点火力がきちんと機能するという前提の上での話だが。

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 モダンのネオブランドに入りうるカード。神話両面は他の両面と違い、(ライフ損失が問題にならない限り) 土地として一人前な代わりに表面がまともに使えないほどクソ重いので、「まともに使える土地でありながら呪文としての特性を持っていることを生かせるか」が重要になってくる。

 ネオブランドはそれができる一つで、「土地であること」「緑のカードであること」を使い分けられるカードはこのデッキにとって非常に貴重である。以前《むかしむかし》について書いたのとは違い、スカるリスクがなく確実に土地になる点もマリガン判断を容易にする。アンタップインするとはいえ青マナが出ない土地なのが《新生化》との関係ではマイナスだが、まずは何も考えずに4枚から調整をスタートする必要がありそうだ。

 他にはベルチャーやスパイのように「土地がめくれるまで~」系のカードとのシナジーがあり、《金属モックス》との相性の良さもあって「0ランドベルチャー」が開発される日も遠くはなさそうだ。そういう事情もあってシリーズの中では緑マナが出て《活性の力》の種にもなるこのカードか、もしくは《Force of Will》や《否定の力》の種になる青神話の価値が高くなりそうである。いずれにせよ、この両面ギミックをどう生かすかが『ゼンディカーの夜明け』のカードでデッキを作る際の最初の大きな課題となるだろう。

 ちなみにクリーチャーだったら《召喚士の契約》で完全にバグッていた。ちっ、惜しい(?)

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 両面2色土地まとめて。土地の強さとしては、無条件で確定アンタップインであり、かつダメージを食らわないという時点で滅茶苦茶強いことは言うまでもない。ダメランなどの他の2色土地と比べて弱い部分は「早期のセットランドが裏目を生みうる」「シンボルが濃いデッキや3色以上のデッキでは運用しづらい」という総じて「早いターンでの弱さ」だが、他の選択肢がないスタンダードに限ればあまり問題になることはなく、友好色の土地の弱さが目立っていたパイオニアでも十分運用できるレベルだろう。

            ◇

 Today's Tune

 sajou no hana「青嵐のあとで」

https://www.youtube.com/watch?v=gTFeQHPLmNE

【オタステ】オタクステーション(2020年8月分)

 

 とりあえず食事制限で3kg痩せたが目標はあと10kg。先は長い……。

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 アニメの話。

◎「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld
 とにかく戦闘のクオリティが高い。つまらない箇所は乗り越えたのであとはラストバトルを見守るだけか。

◎「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)」
 こちらもクオリティがとにかく高い。ていうか冷静に考えて4章の絶望感は異常だな。ウサギはトラウマ。

◎「デカダンス
 ほんのちょっと奇抜な設定のオリジナルアニメ。物珍しさで見てたけど、当初の不安通りその設定がスケール感を規定してしまってあまり緊張感がない話になってしまっている。逆だったり、視点が進撃みたいな感じだったらもうちょっと違ったんだろうけど、少しもったいないアニメという感じ。

 あとは「はまち」くらい?どっかで一気に見そう。全然関係ないけどリゼロとデカダンスで今クール2つのアニメのOPを鈴木このみが歌ってるの、なかなかすごいな。

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 音楽の話。

 ずとまよの新しいアルバムと、アマプラで「プロメア」観たからそれの曲が新譜。


低血ボルト / ずっと真夜中でいいのに。


MILABO / ずっと真夜中でいいのに。


Ham / ずっと真夜中でいいのに。


ANIMA / ReoNa


CRY / SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki


Inferno / 澤野弘之


Nexus / 澤野弘之

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 読書の話。

 7点 白鳥士郎りゅうおうのおしごと!13」(GA文庫
小学生組メインでこれまでの特典小説を盛り込んだ短編集だったため3/4くらいは無だったけど、澪ちゃんとの別れのとこはいつも通り熱かった。しかしこれからずっとイチャイチャを見せつけられるのか……糖分が強い……

 7点 城平京「雨の日も神様と相撲を」(講談社タイガ
「スパイラル ~推理の絆~」「虚構推理」原作の城平京が書く日常ミステリ?いやミステリって感じでもないな。相撲ですべてが決まる村に引っ越してきた小柄な少年が村の神であるカエル様の巫女の少女と一緒にカエルを相撲で勝たせる話。何言ってんだ?ってあらすじだがその通りだからしょうがない。米澤穂信古典部シリーズに雰囲気は近いかも。すごい興奮するような部分はないけど、詰将棋のように綺麗な構成の話で良かった。

 8点 劉慈欣「三体」(早川書房単行本)
全世界中で話題となった(らしい)中国発のSF小説。訳書であるがゆえの堅すぎる日本語の違和感とテンポの悪さはどうしても付きまとうが、それでも可能な限り取り払われ、一度物語に没入できれば気にならないレベルにまで丸められている。肝心の物語は、サスペンス的演出が上手く読者の想像力を刺激する構造となっている。言われるだけのことはある面白さ。全三部作とのことなので、続きも読んでみたい。

 3冊。しかし一巻目は紙の本で買ってたからまだよかったけど、スマホで「三体」クラスのガチSF読むのはなかなかにきついな。

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 ヘブンズフィール見たい。

 

            ◇

 Today's Tune

 ずっと真夜中でいいのに。「低血ボルト」

https://www.youtube.com/watch?v=Y4_vXzyOJHE

【だら草049】モダンデッキ雑感

 

 大分放置してしまった。忙しいわけではないのだが、特に書くべきことも見当たらなかったというのが正直なところ。

 ShowcaseのSeason2はQPが足らず日常からのプレリミナリ参加の必要性を痛感したので、最近は時間ができたらMOのリーグやプレリミナリに参加している。また、その他アマプラでコンテンツを消化したりもあって、アウトプットの優先度が極端に下がっていた。

 さて今回は、ネオブランドの他にいくつか触ったモダンのデッキについて雑感をまとめておこうと思う。今後も他のアーキタイプを少しずつ触ろうと考えているので、ある程度まとまったら新たに記事にする予定だ。

■ トロン

 モダンに長く存在するアーキタイプではあるが、「ロンドンマリガンの採用」「《大いなる創造者、カーン》の加入」の2点がかなり大きかった。最新のアーキタイプたちと比してデッキパワーも遜色なく、環境の中でも特別なポジションを持っている。

 そのコンセプトは徹底した「受け潰し」であり、手札破壊やカウンターを軸にしたデッキに対して絶大な相性差を誇る。

 ミッドレンジやコントロールは環境のアーキタイプの数が増えると丸いサイドカードを採用せざるをえなくなり、結果として土地デッキ対策が取りづらくなる。そうした隙間を縫って使用する分には、これ以上ない奇襲デッキと言えるだろう。

デッキ評価:A

■ 発掘

 《アゴナスの雄牛》の加入で速度と安定感がかなり増した。ただ土地対策と比べて墓地対策は丸いカードが多く (最近の例だと《塵へのしがみつき》)、とにかく「ついでに」で対策されやすいため、環境で薄くなるタイミングが期待できないのが悩みどころ。そして発掘というデッキはどこまでいってもサイド後は極端に不利なゲームを強いられるデッキなのである。

 そうはいっても使いどころを見極められれば強力なデッキには違いないのだが、トロンと比べるとその適切なタイミングはかなり少なくなりそうな印象。ただトロンが苦手としがちな赤系のデッキに対しては逆に相性が良いこともあり、「トロンがダメそうなときは発掘」という戦略はある種の真理と言えるかもしれない。

デッキ評価:B

■ マーフォーク

 モダンの中では「すべてのサイドカードが効かないデッキ」というこれまた特異なポジションのデッキだが、それを差し引いてもデッキパワーの低さは否めない印象。

 根本的に《霊気の薬瓶》からクリーチャーを並べるだけならマーフォークに限らずとも何でもいいわけで、その恩恵が大量のロードと《否定の力》程度ならば、モダンという環境にはあまり合っていないデッキとみなさざるをえない。

 モダンは幅広いアーキタイプに対して速度で制圧するかもしくは適宜干渉していくかのどちらかを求められる環境である。そんな環境で中途半端に殴れるクリーチャーを出すくらいなら、きちんと干渉できる能力を持ったクリーチャーを出した方が良い。総じて「5色人間の下位互換」という評価にならざるをえないだろう。

デッキ評価:C

 

            ◇

 Today's Tune

 澤野弘之 (vo:Benjamin&mpi)「Inferno」

https://www.youtube.com/watch?v=GMUHQKMHQzU

【オタステ】オタクステーション(2020年7月分)

 

 ダイエット始めました。

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 アニメの話。

◎「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld
 さすがにクオリティ高いな。話的にはもう消化試合なんで「アクション作画すごい」以外の感想がないが。

 はまちとリゼロはアマプラでどっかで一気に見ると思う。あと「デカダンス」がなんか面白いらしい?からそれも気になる。

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 音楽の話。

 先月の反動か、めちゃめちゃに音楽聴いてた。超酔っぱらって聞いた結果米津玄師を再評価したというのも大きいが。


アメヲマツ、 / 美波


Phantom Joke / UNISON SQUARE GARDEN


1,000,000 TIMES feat. chelly (EGOIST) / MY FIRST STORY

イヤホンロマンス / 宝鐘マリン


灰色と青( +菅田将暉 ) / 米津玄師


ピースサイン / 米津玄師


orion / 米津玄師


馬と鹿 / 米津玄師


サンタマリア / 米津玄師


Flowerwall / 米津玄師

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 読書の話。

 7点 宮内悠介「黄色い夜」(集英社
宮内悠介版「カイジ」。相変わらず異国情緒たっぷりかつ言語や民族の多様性に言及する描写が素敵だが、肝心の話の筋は悪くはないもののイマイチ突き抜けきらなかった。もう少しカタルシスがあったら8点に届いたかもしれない。

 6点 篠原悠希「後宮に星は宿る 金椛国春秋」(角川文庫)
十二国記」や「薬屋のひとりごと」的なSF中国王朝設定でのよくある潜入劇。ありがちな設定だけど特別に推せるみたいな部分が見いだせなかった。

 7点 藤井太洋「東京の子」(角川書店単行本)
買ったままずっと積んでたのをようやく読み終わった。帯文の通りの社会的なテーマで、東京デュアルという職業訓練的な大学あるいは専門学校の設定とパルクールとを絡めたのは素晴らしい着眼点だなと思った。でも話の展開が遅くてせっかくのパルクールのスピード感が殺されていたのでこの点数。藤井太洋の小説にしては珍しく、アイデア一発勝負の短編を無理矢理伸ばしたような間延び感があった。

 3冊。分量的にはこれくらいがちょうど良さそうだな。

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 最近全然インプット足りてないから、アマプラで積んでたドラマと映画片っ端から見るか。

 

            ◇

 Today's Tune

 米津玄師「Flowerwall

https://www.youtube.com/watch?v=Y4_vXzyOJHE

【だら草048】From the Vault: matsugan

 

 禁止改定は何から何まで大外しでしたね。まあそういうこともある。パイオニアはホンマにそれでええんか?🤔🤔🤔と思わなくもないが……。

 さて、今日は「特定の個人に焦点を当てたフロムザヴォルトを作ったらどうなるか?」というムーブメントに乗っかり、上記のゆうやんのツイートにあるカードに関する私のエピソードを軽くまとめてみることにする。とはいえ、私の場合はdiarynoteやmtg-jp、晴れる屋などに逐一足跡となる日記や記事が残っているので、基本的にはそれらに外部リンクを貼るだけで済む (それがこのテーマを選んだ主な理由だ)。

 ちなみにこういうのは自分では選びづらいということもあり、今回のように他の人に選んでもらえると「あ、他人の記憶に残った自分てこうなんだ」という気づきが得られてありがたい。もちろん、なかには「え、それそんな大した話あったっけ?」というカードもあるが……。

■ 1. 《黒焦げ》

https://60486.diarynote.jp/?day=20051022
https://60486.diarynote.jp/?day=20051023

 私のマジックキャリア自体は「ウルザズ・レガシー」くらいからスタートしているのだが、途中大学受験で触っていなかった期間があることもあり、ある程度ガチで大会に出るようになったのは再開した「ミラディン」あたりからだった。

 その頃「都道府県選手権」という大会があり、東京都選手権に出場した私は、トップ8に入賞し、初めて公のカバレージに残るような成績を残すことができた。

 そのときの相棒が、当時流行っていたスライ軸ではなく、速攻持ちで最低2点火力になる《空騎士の軍団兵》以外のクリーチャーを大胆にサイドボードに落としたフルバーン軸の赤白、「黒焦げチャーリー」である。

 《碑出告の第二の儀式》という特殊勝利カードを愛用していたことからも、強さと両立した独自性を愛するという今につながるメンタリティが窺える。

■ 2. 《激情のゴブリン》

https://60486.diarynote.jp/?day=20051028

 「ラヴニカ:ギルドの都」が発売した当時の私は渋谷にあった「ザ・フォーラム」という店に通い、4ドラや6ドラに明け暮れる日々だった。

 ギルドというものがマジックで初めて導入されたセットということもあり、ラヴニカ×3のドラフトはとにかく新鮮で面白かった。まだリミテッドが下手だった私は、ドラフトにおいて相手が多少もたついたら簡単に勝てる上に、上記の相棒であった《空騎士の軍団兵》がピックできるボロスを半ば決め打ちでピックしており、その執着ぶりによってチームドラフトのチームメイトにしばしば迷惑をかけていた。

 そんな折、FNMで珍しくフォーラムに8人が集まってチームではない個人ドラフトの卓が立った際、1パック目の1手目で私が引き当てたレアは《呪詛》であった。

 唱えることさえできれば相手の盤面が必ず壊滅するこのカードは、神河物語における《曇り鏡のメロク》、神河謀反における《梅澤の十手》。まごうことなきボムレアである。

 しかし私は、チームドラフトではないため絶対に他人に迷惑をかける可能性がないというのをいいことに、懲りずにボロスを決め打ちした。そのピックが《激情のゴブリン》……1マナ1/1、ブロック制限能力はあるとはいえ通常初手ではほぼ取りえないアンコモンであった。

 その後は決め打ちがハマり、私は2-0したものの、最終戦で上家のゴルガリにボコボコにされて終わった。その後の感想戦で《呪詛》を流したことを白状したら、場が騒然とした……といった次第である。

 それ以来、「《呪詛》流して《激情のゴブリン》」は、私の奇抜なピックを表す代名詞の一つとなった。

■ 3. 《溶岩の撃ち込み》

https://60486.diarynote.jp/?day=20060302
https://60486.diarynote.jp/?day=20060303

 2005年の年末につくばや宇都宮まで遠征して初めてPTQを抜けた私は、初参加となるプロツアー・ホノルル2006に乗り込んだ。

 だが、都道府県選手権での成功から5か月足らずで成功体験が払拭できていなかった私は、そこでもバーンを持ち込んだ。折しも「ギルドパクト」が発売し、《オルゾヴァの幽霊議員》《清麻呂の末裔》といったライフゲインに長けた優秀なミッドレンジクリーチャーたちが出た直後のことである。

 ありとあらゆる新カードに叩きのめされた私は、1勝7敗という散々な成績で初日敗退を喫した。

 《溶岩の撃ち込み》というカードは、初トップ8の都道府県選手権の美しい思い出だけでなく初プロツアーの苦い思い出とともに、今でも私が大好きなカードの1枚である (ちなみにラヴニカより前の神河物語ドラフトでも、早い手順ではないものの暇さえあればピックしては2~3枚デッキに入れていた)。

■ 4. 《サバンナ・ライオン》

https://60486.diarynote.jp/?day=20070316
https://60486.diarynote.jp/?day=20070317
https://60486.diarynote.jp/?day=20070318

 私のシャカパチの癖の酷さは私を知る者たちには有名ではあるが (動画を見るなどすれば一目瞭然だが)、当時は確かまだ固い二重スリーブが一般的ではなかったこともあり、私が使用するカードたちの「反り」は三日月もかくやといった具合であった。

 愛用のボロスとともに臨んだグランプリ京都。初日を7-2で抜けるも、2日目早々に1勝2敗して後がない状態。そんな状況で迎えた次のラウンドで事件は起きた。

ジャッジ「メインボードとサイドボードの反り具合が違いすぎます」

 そう、度が過ぎるシャカパチによってついに実害を被ったのである。

 しかもデッキチェックが行われたのはゲームカウント1-1となってさあ3本目を始めるぞというタイミングでの出来事。当然ゲームロスとなり、マッチ敗北で上位入賞の可能性を失った私は、渡辺 雄也が鮮烈なデビューを飾った京都の地で、愛用の《サバンナ・ライオン》(カードの芯がすっかりなくなってぐにゃぐにゃの状態) とともに己の不注意を呪ったのだった。

■ 5. 《砂丘乗りの無法者》

https://60486.diarynote.jp/?day=20071117

 私のデッキ構築の手法は、メタゲームから見出した何らかの「課題」に基づき、その課題を解決するカードやコンセプトを中心にデッキを構築するというものが多い。

 2007年のFinals予選当時、スタンダードは「青黒マネキン」という、序盤に想起で墓地に落とした《叫び大口》や《熟考漂い》をリアニメイトすることで能力を使い回しつつクリーチャーを踏み倒し、莫大なテンポを獲得するデッキが流行していた。

 このデッキに対し、私が導き出した解答……それは、「《叫び大口》が効かないクリーチャーによるビートダウン」であった。

 そして採用された唯一無二の2マナ域が《砂丘乗りの無法者》である。弱すぎて当然私は一瞬で0-2ドロップしたが、デッキを共同開発した現ライバルズのイカ彦は不思議な力で予選を抜けていた。このカードを競技シーンで使ったのは後にも先にも私たちくらいだろう。

■ 6. 《マナの税収》

https://60486.diarynote.jp/?day=20080323

 この頃、「白いデッキなのにカウンターが打てる!」という点がいたく気に入っていた私は、クロックの早いビートダウンに《マナの税収》を入れることでシャクりにいくという痩せた戦術に (なぜか) 傾倒していた。

 そのデッキをどうにかして実戦レベルに引き上げたいと (無理難題を) 思い、そして組み上げたのが、1枚差しのスペルで相手の意表を突くことをコンセプトにした「銀弾キスキン」であった。

 結局デッキとして大成したわけではなかったものの、相手の全体除去やサイドカードを何度も弾き返した頼もしい記憶とともに、《溶岩の撃ち込み》と並んでマジックで最も好きなカードのうちの一つであり、私のTwitterのアイコンにもなっている。

■ 7. 《補強》

https://60486.diarynote.jp/?day=20080426

 組み上げた当初は目新しく実際にアベレージも悪くなかった銀弾キスキンだが、終盤は完全に迷走しており、その迷走ぶりを最も端的に表していたのがこの《補強》である。

 ただの《ラッパの一吹き》に少し毛が生えた程度のカードを構築で真面目に使っていたというのは正気の沙汰とは思えない……のだが、冷静に考えてみるとそれは《砂丘乗りの無法者》も《マナの税収》も一緒なので、20数年間そんなことばかりしてきたんだな、と今となっては恥じ入るばかりである。

■ 8. 《苦花》

https://60486.diarynote.jp/?day=20080801
https://60486.diarynote.jp/?day=20080802
https://60486.diarynote.jp/?day=20080803
https://60486.diarynote.jp/?day=20080816

 とはいえ、私とてクソカードやオリジナルデッキばかりを使用してきたわけではない。フェアリーの時代は、むしろフェアリーばかりを使っていた。

 というのも、フェアリー以外のデッキでフェアリーに勝つのはマジでどうやっても不可能だったからである。

 私がトップメタを使ってこなかったのは、トップメタになりがちなミッドレンジやコントロールは技量的に使いこなせないと考えていたというのもあったが、少なくともフェアリーに関してだけはその心配は無用で、私はこのデッキでPTQを突破したし、GP神戸でマネーフィニッシュも達成した。何せフェアリーというデッキは、《苦花》さえ引ければ多少のミスなど関係ないくらい圧倒的に勝ててしまうデッキだったのだ。

■ 9. 《覇者、ジョー・カディーン》

mtg-jp.com

 2011年ごろ、カバレージの手伝いをしつつ、公式サイトで持ち回りながらも一応連載を持ってライターとしてのキャリアを積み始めていた私は、自分が好き勝手に書けるブログの記事に対し、報酬をもらって書く記事はそこまで面白くならないという構造的な問題に悩んでいた。

 その時、ちょうどデッキのアイデアも思いつかなかったため、「デッキを思いつかないんだったら、デッキじゃないデッキを作って記事にしてしまおう」と思って書いたのがこのクソ記事である。

 これによって公式の仕事で初めて大量のバズを獲得することができ、面白さを追求することに対して吹っ切れるきっかけになった (その緩みが、のちに何度か炎上を招いたりもしたが)。

■ 10. 《死の影》

article.hareruyamtg.com

 このカードとの物語については、晴れる屋で逐一記事を書いてきたということもあり、今さら語れることは特にない。

 ただ、このデッキを作った経験と、このデッキに関する記事を書いた経験は、デッキビルダーとして、そしてライターとしてのその後の私に、かけがえのない成長をもたらしてくれたということだけは間違いなく言える。

■ 11. 《上級建設官、スラム》

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 クソデッキをGPに持ち込んだら1回戦でフィーチャーされたでござる。

 ちなみにこのときの調整経験が生きて、『基本セット2019』環境名人戦では優勝することができた。

■ 12. 《山賊の頭の間》

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 エターナル・デボーテは私が作り上げた中でも最も美しいデッキと信じて疑わない、現時点での私の最高傑作である。

 隙あらば持ち込んでやろうとどの環境でも一人回しは常に欠かしていない……のだが、ネオブランドと出会ってからは下位互換ぶりに涙を呑むばかりである。

■ 13. 《アロサウルス乗り》

 これについては記事に書いてあることがほとんどすべてなので、特に付け足すようなことはない。モダン最速のコンセプトとして、禁止になるまで使い倒すつもりだ。

 個人的に思い出深いカードは他にも《エスパーゾア》《ウルザの塔》《予想外の結果》《壊滅的な召喚》《秘密を掘り下げる者》《苛まれし魂》《暴動の首謀者》《白金の天使》《裏切りの本能》《フェアリーの悪党》……などまだまだあるが、まあそれはFrom the Vault: matsugan2 (予定は未定) にとっておくとしよう。

 

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 Today's Tune

 ずっと真夜中でいいのに。「MILABO」

https://www.youtube.com/watch?v=I88PrE-KUPk

【だら草047】モダンとパイオニアの禁止改定予想

 

 週明けにモダンとパイオニアで禁止改定が行われるようだ (他のフォーマットは触っていないので割愛)。ここでは禁止・解禁の予想をしていこうと思う (あくまで個人の予想にすぎず、何らの担保をするものでもない)。

■ モダン

 まずはモダンについて。環境は氷雪系コントロールがトップメタで、バント・スゥルタイ・ティムール・4Cにウーロザまで合わせるとシェアは20%近いかもしれない。その意味で、アーカムの天測儀》は禁止のやり玉に挙がってもおかしくないところではある。

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 だが一方で、勝率としてはおそらくそこまで圧倒的に高いわけでもなく、アーキタイプの多様性は十分に担保されている。コンボがのさばるよりは遥かに健全な環境と言えるだろう。よって、禁止の必要性はかなり低いものと言わざるをえない。

 むしろコントロールがトップメタということは環境にある程度のバグカード耐性が備わっているということでもあり、カードの解禁には最も適したタイミングと言える。

 さてそうなると何らかのカードの解禁があることになるが、これについては前回の禁止改定の際に現状の禁止カードの大雑把なランク分類を行っており、その後ランクAに《むかしむかし》が加わった以外は特に変更の必要性を感じない。

 よって最も可能性が高いのは《梅澤の十手》の解除で、次いで《超起源》の解除が予想される。

 ちなみに第3の解禁候補としては《定業》が挙げられる。既に《血清の幻視》《手練》《選択》と使える環境なので、解禁しても「コンボが揃う精度が上がる」か「16枚積める」以外に危険性が増すことはない。そしてこの中で最も精度が高い《血清の幻視》を採用したコンボでメタゲームにいるのはストームとアドグレイスくらい (あと一応ネオブランドもだが) で、それらが《定業》によって多少強化されるとしても手が付けられないレベルになるとは考えづらいので、解除の可能性は十分にあるものと思われる。

■ パイオニア

 パイオニアについては、相棒ルール改定後のチャレンジ4週分の結果を見る限り、青黒インバーターが安定した勝率を保っておりメタゲームの回転を阻害している感はやはり否めない。

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 強すぎるコンボコントロールは環境を歪める。《真実を覆すもの》はモダンで《欠片の双子》が禁止されているのと同じ理由で禁止になるだろう。

 そしてインバーターが禁止によって環境から消滅した場合、現状では支配的とまでは言えないものの、それでも最も特異なポジションを持つことには違いないロータスストームが環境を歪める可能性が高い。もともとほとんどのデッキにとってはサイドボードの《減衰球》以外で対策のしようがないデッキということもあり、この機会に《睡蓮の原野》も合わせて禁止した方がメタゲームのより円滑な回転が期待できる。

 なお、インバーターロータス、喧嘩両成敗のために《時を越えた探索》を封じるという手もあるが、《宝船の巡航》に置き換わるだけに終わる可能性もあり、既にチャレンジやプレリミナリーが人数不足で立たなくなってきている現状を鑑みるに、メタゲームのダイナミックな変革を望むならばさっさと両アーキタイプに退場してもらった方が話が早いと思われる。

 

            ◇

 Today's Tune

 美波「アメヲマツ、」

https://www.youtube.com/watch?v=766qmHTc2ro