だらだらブログ

なんかゴミです。

【だら草052】ヴィンテージのホロウヴァインについて

 QPが余っていたため気まぐれでヴィンテージのShowcase Challengeに出場したところ、幸運にもトップ8に入賞することができた (トップ8に入賞すれば12月のShowcase Qualifierに出場できる)。

 あまり需要はないかもしれないが鉄は熱いうちに打てということで、今回はこのホロウヴァインというデッキについて解説していこうと思う。

■ 1. これってどんなデッキなの?

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 ヴィンテージで《Bazaar of Baghdad》を使用するデッキには大きく分けて3つのアーキタイプがある。ホガークヴァイン (Hogaakvine)発掘 (Dredge)、そしてホロウヴァイン (Hollowvine)の3つだ。

 名前は似ているがホガークヴァインはどちらかといえばフェア寄りの墓地利用アグロで、いわば「急戦に寄せた墓荒らし」といったコンセプトに近いかもしれない。

 これに対し、発掘とホロウヴァインはどちらもマナを使わないアンフェアデッキで、デッキ構成も似ているが、ホロウヴァインの方が妨害に寄せたコントロールという立ち位置である。

 発掘との違いは妨害要素にあり、《陰謀団式療法》を使わない代わりにメインから《誤った指図》《活性の力》まで搭載されている点が特徴的である。

 要はホロウヴァインは、マナを使わないアンフェアデッキでありながらフェアデッキと同等の妨害要素を兼ね備えているデッキなのだ。

 もちろんバザールデッキの例に漏れず初手キープは基本的にバザール引くまでマリガンだし (なので《血清の粉末》も採用されている)、起動するたびにアドバンテージを失うこのカード単体で妨害コントロールが成立するはずもない。

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 しかしそれを無理矢理成立させているのが《ゴブリンの太守スクイー》である。

 このカード1枚で《Bazaar of Baghdad》はデメリットなしの2枚ルーターになり、2枚引けば毎ターンアドバンテージが得られるようになる。

 そのエンジンの形成が実質《Bazaar of Baghdad》のセットランドのみで可能、さらにはカウンターや手札破壊による妨害も不可能というのだから、いかにヴィンテージといえどこのエンジンにメインから対抗するのがかなり難しいということはおわかりになるだろう。

■ 2. デッキ選択の経緯

 とはいえ、私自身このデッキをずっと握っていたというわけではない。というか、MOでヴィンテージの大会に出場したことも片手で数えられるほどしかないはずだ。

 ホロウヴァインを使うのも、実はまだこれで2回目である。1回目は先月9月13日のヴィンテージチャレンジで、最小成立人数が32人のところ毎回40人前後しか参加者が集まっておらず、賞品期待値的にペイしそうだと考えて参加を決意したときのことだった。

 このときに完コピしたのが、MOモダンでは同じネオブランドというデッキを長らく使用していたWingedHussar前日に準優勝していたリストである (彼が起源というわけではなく、調べた限り最も古い記録は2019年11月17日のリーグ5-0のようだった)。

 この日の結果としては、参加する前に一人回しはしていたものの慣れない対人ヴィンテージに死ぬほどプレイミスを重ね、それでもデッキポテンシャルだけで3勝3敗 (含む不戦敗) し、どうにか参加費をペイすることができた。

 そして「オールインも受けもあるアンフェア」というこのデッキのコンセプトにすっかり魅了された私は、不満を感じた点を密かに微調整して再出撃の機会を窺っていたところ、冒頭のShowcase Challenge出場につながった……というわけである。

■ 3. 元のリストから変更を施した点

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 《メムナイト》→《有毒の蘇生》への変更。

 そもそもこのデッキはアグロなオールインではなく、コントロールとしての性質が強いことは先の段落で述べたとおりである。とすると、各種ピッチスペルのコストにならず、手札リソースを費消して《復讐蔦》が戻しやすくなるだけに過ぎない《メムナイト》にどれだけの価値があるだろうか。実際ゲームに寄与した瞬間も少なく、サイドアウト率も圧倒的に高かったため、調整するならこの部分だろうと感じていたところであった。

 代わりに搭載した《有毒の蘇生》は、原始のリストには搭載されていたようだがテンプレートからは抜けていたカードである。そもそもこのカードに目を付けた理由は、サイドボードの《石化した原野》が弱すぎたというのに端を発する。無駄にセットランド回数がかかるので即効性がない上に、《外科的摘出》に対して無抵抗だからだ。

 その点《有毒の蘇生》は「《不毛の大地》耐性」「《外科的摘出》耐性」の2点を同時に満たせるカードというのが大きかった。加えて、1ターンの価値が高いヴィンテージでは「相手の墓地の不要そうなカードをトップに乗せて相手のドローを止める」ことも現実的なテクニックとなる。さらに「《活性の力》で追放できる」となれば文句の付けようもない。

 そうなるとバザールデッキ同型はメインから《Bazaar of Baghdad》を《不毛の大地》されるということもあり、メインから搭載しない理由がなかった。もともと0マナでできる行動などそう選択肢が多くはない中で、これだけ多様な干渉を可能にするカードは非常に貴重と言える。

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 《ガイアの揺籃の地》→《甦る死滅都市、ホガーク》への変更。

 そもそもこのデッキの《ガイアの揺籃の地》が何のために入っているのかというと、「《日を浴びるルートワラ》のパンプ能力を起動する」というほぼその一点にある (一応《復讐蔦》や《活性の力》の手打ちも理論上は可能だが、そんな場面に出くわしたことはない)。

 確かに1/1が3/3として扱えれば殴り倒しやすくなるのは間違いないのだが、この手のデッキにおいては上ブレのケアよりも下ブレのケアの方が大事であることが多い。

 その点《甦る死滅都市、ホガーク》は、《日を浴びるルートワラ》《復讐蔦》が2体以上出てないと召喚できないとはいえ曲がりなりにも墓地リソースなので、手札に残す必要がないという点が大きい。正直大差はないかもしれない部分だが、《日を浴びるルートワラ》や《復讐蔦》で超えられないサイズの《タルモゴイフ》がいるときなどに単騎突破の可能性が生じるだけでも採用する価値はある。

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 サイド《幽霊街》の追加。

 このデッキが警戒すべきサイドカードは限られており、その中でも《虚空の力線》《外科的摘出》《The Tabernacle at Pendrell Vale》が占める割合が有意に高い。

 特に《The Tabernacle at Pendrell Vale》は他の墓地対策に加えて2枚ほどサイドにとられている場合が多く、このカードだけ角度が違うために独自のケア (常に《不毛の大地》を立たせておくなど) が必要となる。

 また、バザールデッキ同型は《虚空の力線》に加えて「相手の《Bazaar of Baghdad》が割れるか」が初手キープの重要な判断材料になる。既に5枚の枠を割いている部分ではあるが、他のカードの大部分がマリガン判断に寄与しない以上、多すぎて困るということはないだろう。

 ちなみにサイドのモックスは《The Tabernacle at Pendrell Vale》対策のつもりだったが気のせいだったので割愛。再び出るなら2枚目の《幽霊街》と4枚目の《有毒の蘇生》にするだろう。

 ……といったところだろうか。Magic Onlineならばヴィンテージも他のエターナルフォーマットとそう変わらない出費で楽しむことができる。0マナを巡る繊細な攻防を楽しみたい方は、ぜひ参入してみてはいかがだろうか。

            ◇

 Today's Tune

 BUMP OF CHICKEN「アカシア」

https://www.youtube.com/watch?v=4dnT-kKIO6Y

【オタステ】オタクステーション(2020年9月分)

 

 最近また酒飲むペースがやばいので自重せねば……。

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 アニメの話。

◎「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld
 ついにアリシゼーションも完結か。無印ソードアートがアニメ化した段階でここまで見れるとは思ってもみなかったので感慨深い。ラスボスとの戦いはかなりあっさりだったけど、目覚めたところがほぼすべてなのでこれはこれで演出として上手いと思う。

◎「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)」
 とにかくクオリティが高い。エキドナ可愛い。

◎「デカダンス
 最初3話がピークだった。まあ終盤は無でしたね。

◎「魔王学院の不適合者」
 オレツエー系でもはや半分くらいギャグなんだけどクオリティ高くてなんだかんだ面白かった。劣等生的な楽しみ方ができると思う。

 超電磁砲はマンガでいいやってなってしまった。「はまち」も見なきゃ……。

 あとは10月から始まる2020年秋アニメで1話を見そうなもの。昨年末くらいからアニメに絶望してたけど、最近またクオリティが戻ってきてる気がする。気のせいかもしれない。

◎「アクダマドライブ」
 「ダンガンロンパ」の小高和剛らしいので。

◎「アサルトリリィBOUQUET」
 よくわからんけどシャフトだし一応チェックしておく。

◎「安達としまむら
 原作好きだから見るけど、こんな動きの少ないやつよくアニメ化するなw 良質の百合に期待。

◎「神様になった日」
 Keyなのでなんだかんだ良アニメでしょう。

◎「進撃の巨人 The Final Season」
 あまり面白くなさそうな部分だけど毎回クオリティ高いのでなんだかんだ楽しめそう。

◎「魔法科高校の劣等生 来訪者編」
 さすがですお兄様。

◎「無能なナナ
 マンガ読んでたらあまり見る必要ない系だけど、どう表現されるか気になるので1話は見る。

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 音楽の話。

 今月は全然気に入る曲がなかった。


青嵐のあとで / sajou no hana


ラブしい / Kizuna AI × 花譜


Realize / 鈴木このみ

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 読書の話。

 7点 古野まほろ「オニキスⅡ -公爵令嬢刑事 西有栖宮綾子-」(新潮文庫
「監殺」同様の、テンポが良い水戸黄門的な勧善懲悪もの。数字がデカけりゃなんでもいいだろ感があって、二冊目はもう少し工夫して欲しかったかも。

 7点 Schuld「TRPGプレイヤーが異世界で最強ビルドを目指す2 ~ヘンダーソン氏の福音を~」(オーバーラップ文庫
思ったより早く2巻が出た。マニアックな題材だが設定や描写が丁寧で話の運びもしっかりしている。さすがTRPG畑というべきか。

 2冊。「PSYCHO-PASS3 」と「三体Ⅱ(上)」は読んでるのでしばらくは持ちそう。

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 開始時から-6kg。一か月で3kgと考えると、あと2か月で目標達成できる!……のか?

 

            ◇

 Today's Tune

 鈴木このみ「Realize」

https://www.youtube.com/watch?v=uaRnwnmqrws

【だら草051】モダン版スパイについて

 アドグレイスについての記事を書こう書こうと考えていたら、あっという間に『ゼンディカーの夜明け』が発売して環境が変わってしまった。

 さてそんな中で今回は、先日のモダンチャレンジで準優勝という成績を残すことができたモダン版スパイについて、基本はkanisterのレシピでほぼ完成してはいたものの自分なりの微調整を施した部分について、時期が旬のうちに解説しておこうと思う。

■ 1. マナベース

 私がkanisterのリストから最も多くの変更を加えた部分は、実はマナベースである。

 kanisterは黒タップインだけ2枚採用しているものの、その他はテンポロスを嫌ってアンタップインを優先している。しかしその結果、黒マナが14枚とかなりギリギリの枚数になってしまっていた。相手が慣れているなら《五元のプリズム》や《反発のタリスマン》は《否定の力》で消されうるため、土地として置ける黒マナは余裕を持って確保しておきたいところである。

 したがって私は黒タップインを5枚まで増量し、黒マナの総数を16枚まで増やした。もともとこのデッキは1ターン目にやることはほとんどない。《思考囲い》を採用しているとそうでもないが、どの道このデッキに《思考囲い》は合っていないと感じたので (理由は自由枠の部分で後述) 、やはりタップインで問題ないと判断した。

 増量した黒タップインの中では、手札破壊として素打ちもできる《ペラッカの捕食》が優先されることについては特に異論はないだろう。

 アンタップインの中で優先的に削られるのは赤神話で、理由は《猿人の指導霊》と一緒に引いたときに《五元のプリズム》にカウンターが2つ乗らないためである。青神話と白神話の枚数については、どちらも色マナとしての使い道はほぼないので、同様に《五元のプリズム》のために色が散りやすいよう3枚ずつの採用とした。

 1枚だけ《絡みつく花面晶体》が入っているのは、《反発のタリスマン》を1枚削っておりサイドに《自然の要求》を採用している関係上、緑マナを気持ちだけ確保しておきたかったからである。うっかり素出しできればマナ加速の代替になりうるので、緑タップインの中では一番まともなカードだろう。

 《反発のタリスマン》が削られているのは、後述の自由枠を作る上で最も優先度が低いカードだったからである。このデッキは3ターン目までに黒含みの4マナを作ることを目標にするわけだが、《猿人の指導霊》も合わせるとブーストが12枚も入っているのは明らかに過剰であり、それもkanisterのリストではマナベースの補正の役割も担っているためフル採用にせざるをえないわけだが、タップイン土地を許容したことで黒マナの枚数に余裕ができているため、1枚削れると判断した。

■ 2. 自由枠

 このデッキのメインボードには、《思考囲い》が入っている部分と抜いた《反発のタリスマン》1枚分で計5枚の自由枠がある。このスロットにどんなカードを採用するべきか。

 私の場合は少し一人回しをした結果、まず少なくとも《思考囲い》ではないという結論に至った。

 3ターン目に発生する4マナはコンボ始動のために全て費消するので、このデッキが自由に使えるマナは1ターン目と2ターン目にしか生まれない。そして1ターン目に《思考囲い》を打てるアンタップインの土地は《アガディームの覚醒》4枚のみでほぼ打てず、2ターン目も《猿人の指導霊》パターンか《反発のタリスマン》を引けているなら余裕があるものの、《五元のプリズム》の場合は3枚目のアンタップイン土地を追加で要求することとなってしまう。このマナの余裕のなさが理由の第1点。

 そして2点目は、現在の環境のトップTierが赤黒果敢シャドウであることからすると、《思考囲い》の2点とそのためにアンタップインするであろう土地の3点、計5点は到底許容できないという部分、すなわちライフの余裕のなさにある。

 さらにこう考えたとき、そもそもこの自由枠にマナがかかるカードを入れたとしても十分には機能しないという解が見えてくる。

 したがってどの道75枚の中には4枚ずつ入れるであろう《否定の契約》か《神聖の力線》かの2択になるわけだが、前述のとおり赤黒果敢シャドウがトップメタであることに鑑み、またデッキの構成上それでなくてもハンデスは土地を抜かれて致命傷になりうるため、《神聖の力線》を優先して採用することにしたわけである。

■ 3. サイドボード

 このデッキのサイドボードを作るにあたっては、コンボ達成が不可能な状況を4パターンほどまずは想定し、それを解決しうるカードを4:4:4:3で入れるというのをスタートラインにした。

 不可能状況のその1はシンプルに《墓掘りの檻》や《安らかなる眠り》などの置き墓地対策を設置される場合で、これは《自然の要求》で事足りる。

 不可能状況のその2は《翻弄する魔道士》や《封じ込める僧侶》などの生き物コンボ対策を設置される場合で、これは《ゴブリンの放火砲》でかわすことができる。

 不可能状況のその3は《マナ漏出》《差し戻し》《謎めいた命令》などのカウンターでしのがれる場合で、これも《否定の契約》で打開できる。

 不可能状況のその4は少し複雑だが、クロック+手札破壊+墓地対策のようにスピードと多角的な妨害を兼ね備えた赤黒果敢シャドウのようなデッキに対し、墓地対策の効かない《ゴブリンの放火砲》を設置できたとしても返しでライフが削りきられてしまう場合を想定し、《仲裁の契約》を採用することにした。が、この用途なら《否定の契約》でも近い役割は果たせるし、いずれにせよ活躍の場面がかなり限られるので、入れるにしても1~2枚程度が妥当だっただろう。

 最後に不可能状況のその5は《浄化の野火》《暗殺者の戦利品》《幽霊街》による土地破壊を受ける場合で、さすがに2ターン目から《露天鉱床》を連打されては勝ちようがないとはいえ、土地を入れられないデッキの構造上回避しようがないとも思われたが、既存のリストでサイドに基本土地を採用しているものがなかったので、1枚だけ入れておけば裏をかけると判断して《山》を採用することにした。

 《山》は《ゴブリンの放火砲》とセットで入れるので、もし土地破壊されなかったとしても《ゴブリンの放火砲》さえ起動できれば8~9枚めくるだけで勝てるのでそう分の悪い賭けにはならないというわけである (ただし土地破壊を受けずにかつスパイしか引けていない場合は自滅するので、そもそも土地破壊を受ける確率が高い相手にしかサイドインしてはいけない)。

 ……と、そんなわけで冒頭のリストができあがったわけである。サイドの《仲裁の契約》の部分は、とりあえず《否定の契約》だけは3枚に増量した方がいいものの、他はしっくりくるものが見当たらないため、皆さんの考える不可能状況に合わせて適切なカードを採用してもらいたい。

 それでは、良いスパイ生活を。

            ◇

 Today's Tune

 Kizuna AI × 花譜「ラブしい」

https://www.youtube.com/watch?v=u4PUwnItinY

【だら草050】ゼンディカーの夜明け注目カード

 

 さて今回は、カードリストが出た「ゼンディカーの夜明け」の中から、主にパイオニアやモダン視点で活躍する可能性があるカードをいくつかピックアップしたので、そちらを見ていこうと思う。

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 え、こんなに強い《弁論の幻霊》おる???《稲妻》で落ちるのはマイナスだが、特殊地形タップインはメインにフル投入しても腐らなさそう。白単デスタクを強化しそうな1枚。

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 《悪鬼の狩人》から始まったこのシリーズの中では、《拘留代理人》ほどの万能感はないものの、対象になるマナコストが4以下に制限されているとはいえアーティファクト、エンチャント、プレインズウォーカーも追放できるのでかなり強い部類。おまけに除去されても帰ってくるのはそのものではなくてゴミみたいなトークン。デッキの色や環境によっては《拘留代理人》ではなくこちらを使うケースもありそう (具体的には《霊廟の放浪者》《鎖霊》などで種族シナジーがあるスピリットなど)。

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 フェッチ (相手のターンに起動すればいいだけだが行動は縛れる) や《自然の怒りのタイタン、ウーロ》などによるマナ加速対策になる土地対策サイドボード。トロンは咎められないのがマイナスだが、カード引けるし自分には効果がないのでモダンのコントロールがメインに数枚入れてもおかしくはない。

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 『ゼンディカーの夜明け』にはライブラリーアウト系ギミックが多数収録されているが、どれも対戦相手しか対象にとれないため、エターナルフォーマットでの活躍は基本的には期待できない。しかしそんな中でもこのカードだけは、5~8枚目の《面晶体のカニ》としてモダンのライブラリーアウトにそのまま搭載されるであろうカードとなっている(あと地味に白力線も突破できる)。役割は本当にそれだけで発展性は皆無だが、即戦力なことだけは間違いない。

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 ついに黒単色で (ライフは失うが基本的には) 何のデメリットもなくエンチャントを割れる時代に。この恩恵は特にエンチャントを苦手としていた赤黒というカラーリングにおいて強く受けられるものと思われ、モダンの赤黒果敢のサイドボードなどには1枚程度採用が検討されることだろう。

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 黒い《広がりゆく海》……とまではいかないが、ウルザ土地や《エルドラージの寺院》、《死者の原野》《溶鉄の尖峰、ヴァラクート》といった特殊な土地を潰す限りにおいては同様の機能となる。また、いざとなれば自分の土地につけて《マナの合流点》として運用するというのも面白い。何かしらの使い道がありそうなカード。

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 白い赤い《ステップのオオヤマネコ》!いや、マジでそれだけだけど。一応、赤単で1マナパワー4になりうるカードが入ったのはモダンでほんの少しだけ変化があるか。ただどちらかといえば、同じセットに土地戻し《ゴブリンの先達》くんがいるので組み合わせて使おう的な。

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 両面カード以外では個人的にこのセットで一番とんでもないカード。キャントリップが付いてるのがマジで意味不明。《レオニンの裁き人》っていうカード知ってますか?その気になれば《エイヴンの思考検閲者》とかも積めるんですが。自分の《トロウケアの敷石》に打ってマナ加速する運用もあり、《爆裂+破綻》とかと組み合わせてみても面白いかもしれない。

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 1ターン目に出して打点にならない時点でメインアタッカーにはなりえないが、「1+1+1」を追求した土地18枚デッキなどにおける最後の「1」としては優秀なカード。また、両面カードを回収して呪文として再活用することなども考えられる。ほか、《エンバレスの宝剣》が強いスタンダードではテンポ的に重宝するかも。

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 今回初登場の「裏面が土地の両面カード」。「パーティー」「キッカー」「上陸」といった他のキーワードがどちらかといえばリミテッド向きなのに比べ、これらのカードは構築向きな上にそもそもコンセプト上強く、実質セットの目玉と言っていい。

 カードの評価は難しいが、神話レア以外は土地面がタップインなので土地メインとして見ると弱い。なので特殊な事情 (ベルチャーやザ・スパイなど) がない限りは、逆説的に「表面が限りなく一人前に近いカードがたまに土地として置けるようなら強い」という評価基準になるだろう。

 そうした観点で見たとき、このカードは(サイクリングできたりはしないので)《自然の怒りのタイタン、ウーロ》の「脱出」の助けにこそならないものの、《検閲》に近い機能を果たすことが期待できるので、構築でも活躍が期待できそうである。

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 上のカードと同様。どちらかといえばこちらは一人前と呼べるかかなり怪しいスペックだが、両面カードの強さ的にはこれくらいでもいける可能性はある。重要なのは手札内の土地と呪文の割合が行動回数=ゲームの主導権争いに直結する序盤に行動の選択肢になるかどうかということなので、表面が軽くてプレイアブルであることはかなり重要になると思われる。

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 マナコストを軽く寄せて土地を絞った赤単だと意味のないカードだが、4マナや5マナを搭載したビッグレッド的な構成だとあまりにも裏目がなくて強い。もちろん環境的に1点火力がきちんと機能するという前提の上での話だが。

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 モダンのネオブランドに入りうるカード。神話両面は他の両面と違い、(ライフ損失が問題にならない限り) 土地として一人前な代わりに表面がまともに使えないほどクソ重いので、「まともに使える土地でありながら呪文としての特性を持っていることを生かせるか」が重要になってくる。

 ネオブランドはそれができる一つで、「土地であること」「緑のカードであること」を使い分けられるカードはこのデッキにとって非常に貴重である。以前《むかしむかし》について書いたのとは違い、スカるリスクがなく確実に土地になる点もマリガン判断を容易にする。アンタップインするとはいえ青マナが出ない土地なのが《新生化》との関係ではマイナスだが、まずは何も考えずに4枚から調整をスタートする必要がありそうだ。

 他にはベルチャーやスパイのように「土地がめくれるまで~」系のカードとのシナジーがあり、《金属モックス》との相性の良さもあって「0ランドベルチャー」が開発される日も遠くはなさそうだ。そういう事情もあってシリーズの中では緑マナが出て《活性の力》の種にもなるこのカードか、もしくは《Force of Will》や《否定の力》の種になる青神話の価値が高くなりそうである。いずれにせよ、この両面ギミックをどう生かすかが『ゼンディカーの夜明け』のカードでデッキを作る際の最初の大きな課題となるだろう。

 ちなみにクリーチャーだったら《召喚士の契約》で完全にバグッていた。ちっ、惜しい(?)

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 両面2色土地まとめて。土地の強さとしては、無条件で確定アンタップインであり、かつダメージを食らわないという時点で滅茶苦茶強いことは言うまでもない。ダメランなどの他の2色土地と比べて弱い部分は「早期のセットランドが裏目を生みうる」「シンボルが濃いデッキや3色以上のデッキでは運用しづらい」という総じて「早いターンでの弱さ」だが、他の選択肢がないスタンダードに限ればあまり問題になることはなく、友好色の土地の弱さが目立っていたパイオニアでも十分運用できるレベルだろう。

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 Today's Tune

 sajou no hana「青嵐のあとで」

https://www.youtube.com/watch?v=gTFeQHPLmNE

【オタステ】オタクステーション(2020年8月分)

 

 とりあえず食事制限で3kg痩せたが目標はあと10kg。先は長い……。

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 アニメの話。

◎「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld
 とにかく戦闘のクオリティが高い。つまらない箇所は乗り越えたのであとはラストバトルを見守るだけか。

◎「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)」
 こちらもクオリティがとにかく高い。ていうか冷静に考えて4章の絶望感は異常だな。ウサギはトラウマ。

◎「デカダンス
 ほんのちょっと奇抜な設定のオリジナルアニメ。物珍しさで見てたけど、当初の不安通りその設定がスケール感を規定してしまってあまり緊張感がない話になってしまっている。逆だったり、視点が進撃みたいな感じだったらもうちょっと違ったんだろうけど、少しもったいないアニメという感じ。

 あとは「はまち」くらい?どっかで一気に見そう。全然関係ないけどリゼロとデカダンスで今クール2つのアニメのOPを鈴木このみが歌ってるの、なかなかすごいな。

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 音楽の話。

 ずとまよの新しいアルバムと、アマプラで「プロメア」観たからそれの曲が新譜。


低血ボルト / ずっと真夜中でいいのに。


MILABO / ずっと真夜中でいいのに。


Ham / ずっと真夜中でいいのに。


ANIMA / ReoNa


CRY / SawanoHiroyuki[nZk]:mizuki


Inferno / 澤野弘之


Nexus / 澤野弘之

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 読書の話。

 7点 白鳥士郎りゅうおうのおしごと!13」(GA文庫
小学生組メインでこれまでの特典小説を盛り込んだ短編集だったため3/4くらいは無だったけど、澪ちゃんとの別れのとこはいつも通り熱かった。しかしこれからずっとイチャイチャを見せつけられるのか……糖分が強い……

 7点 城平京「雨の日も神様と相撲を」(講談社タイガ
「スパイラル ~推理の絆~」「虚構推理」原作の城平京が書く日常ミステリ?いやミステリって感じでもないな。相撲ですべてが決まる村に引っ越してきた小柄な少年が村の神であるカエル様の巫女の少女と一緒にカエルを相撲で勝たせる話。何言ってんだ?ってあらすじだがその通りだからしょうがない。米澤穂信古典部シリーズに雰囲気は近いかも。すごい興奮するような部分はないけど、詰将棋のように綺麗な構成の話で良かった。

 8点 劉慈欣「三体」(早川書房単行本)
全世界中で話題となった(らしい)中国発のSF小説。訳書であるがゆえの堅すぎる日本語の違和感とテンポの悪さはどうしても付きまとうが、それでも可能な限り取り払われ、一度物語に没入できれば気にならないレベルにまで丸められている。肝心の物語は、サスペンス的演出が上手く読者の想像力を刺激する構造となっている。言われるだけのことはある面白さ。全三部作とのことなので、続きも読んでみたい。

 3冊。しかし一巻目は紙の本で買ってたからまだよかったけど、スマホで「三体」クラスのガチSF読むのはなかなかにきついな。

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 ヘブンズフィール見たい。

 

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 Today's Tune

 ずっと真夜中でいいのに。「低血ボルト」

https://www.youtube.com/watch?v=Y4_vXzyOJHE

【だら草049】モダンデッキ雑感

 

 大分放置してしまった。忙しいわけではないのだが、特に書くべきことも見当たらなかったというのが正直なところ。

 ShowcaseのSeason2はQPが足らず日常からのプレリミナリ参加の必要性を痛感したので、最近は時間ができたらMOのリーグやプレリミナリに参加している。また、その他アマプラでコンテンツを消化したりもあって、アウトプットの優先度が極端に下がっていた。

 さて今回は、ネオブランドの他にいくつか触ったモダンのデッキについて雑感をまとめておこうと思う。今後も他のアーキタイプを少しずつ触ろうと考えているので、ある程度まとまったら新たに記事にする予定だ。

■ トロン

 モダンに長く存在するアーキタイプではあるが、「ロンドンマリガンの採用」「《大いなる創造者、カーン》の加入」の2点がかなり大きかった。最新のアーキタイプたちと比してデッキパワーも遜色なく、環境の中でも特別なポジションを持っている。

 そのコンセプトは徹底した「受け潰し」であり、手札破壊やカウンターを軸にしたデッキに対して絶大な相性差を誇る。

 ミッドレンジやコントロールは環境のアーキタイプの数が増えると丸いサイドカードを採用せざるをえなくなり、結果として土地デッキ対策が取りづらくなる。そうした隙間を縫って使用する分には、これ以上ない奇襲デッキと言えるだろう。

デッキ評価:A

■ 発掘

 《アゴナスの雄牛》の加入で速度と安定感がかなり増した。ただ土地対策と比べて墓地対策は丸いカードが多く (最近の例だと《塵へのしがみつき》)、とにかく「ついでに」で対策されやすいため、環境で薄くなるタイミングが期待できないのが悩みどころ。そして発掘というデッキはどこまでいってもサイド後は極端に不利なゲームを強いられるデッキなのである。

 そうはいっても使いどころを見極められれば強力なデッキには違いないのだが、トロンと比べるとその適切なタイミングはかなり少なくなりそうな印象。ただトロンが苦手としがちな赤系のデッキに対しては逆に相性が良いこともあり、「トロンがダメそうなときは発掘」という戦略はある種の真理と言えるかもしれない。

デッキ評価:B

■ マーフォーク

 モダンの中では「すべてのサイドカードが効かないデッキ」というこれまた特異なポジションのデッキだが、それを差し引いてもデッキパワーの低さは否めない印象。

 根本的に《霊気の薬瓶》からクリーチャーを並べるだけならマーフォークに限らずとも何でもいいわけで、その恩恵が大量のロードと《否定の力》程度ならば、モダンという環境にはあまり合っていないデッキとみなさざるをえない。

 モダンは幅広いアーキタイプに対して速度で制圧するかもしくは適宜干渉していくかのどちらかを求められる環境である。そんな環境で中途半端に殴れるクリーチャーを出すくらいなら、きちんと干渉できる能力を持ったクリーチャーを出した方が良い。総じて「5色人間の下位互換」という評価にならざるをえないだろう。

デッキ評価:C

 

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 Today's Tune

 澤野弘之 (vo:Benjamin&mpi)「Inferno」

https://www.youtube.com/watch?v=GMUHQKMHQzU

【オタステ】オタクステーション(2020年7月分)

 

 ダイエット始めました。

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 アニメの話。

◎「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld
 さすがにクオリティ高いな。話的にはもう消化試合なんで「アクション作画すごい」以外の感想がないが。

 はまちとリゼロはアマプラでどっかで一気に見ると思う。あと「デカダンス」がなんか面白いらしい?からそれも気になる。

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 音楽の話。

 先月の反動か、めちゃめちゃに音楽聴いてた。超酔っぱらって聞いた結果米津玄師を再評価したというのも大きいが。


アメヲマツ、 / 美波


Phantom Joke / UNISON SQUARE GARDEN


1,000,000 TIMES feat. chelly (EGOIST) / MY FIRST STORY

イヤホンロマンス / 宝鐘マリン


灰色と青( +菅田将暉 ) / 米津玄師


ピースサイン / 米津玄師


orion / 米津玄師


馬と鹿 / 米津玄師


サンタマリア / 米津玄師


Flowerwall / 米津玄師

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 読書の話。

 7点 宮内悠介「黄色い夜」(集英社
宮内悠介版「カイジ」。相変わらず異国情緒たっぷりかつ言語や民族の多様性に言及する描写が素敵だが、肝心の話の筋は悪くはないもののイマイチ突き抜けきらなかった。もう少しカタルシスがあったら8点に届いたかもしれない。

 6点 篠原悠希「後宮に星は宿る 金椛国春秋」(角川文庫)
十二国記」や「薬屋のひとりごと」的なSF中国王朝設定でのよくある潜入劇。ありがちな設定だけど特別に推せるみたいな部分が見いだせなかった。

 7点 藤井太洋「東京の子」(角川書店単行本)
買ったままずっと積んでたのをようやく読み終わった。帯文の通りの社会的なテーマで、東京デュアルという職業訓練的な大学あるいは専門学校の設定とパルクールとを絡めたのは素晴らしい着眼点だなと思った。でも話の展開が遅くてせっかくのパルクールのスピード感が殺されていたのでこの点数。藤井太洋の小説にしては珍しく、アイデア一発勝負の短編を無理矢理伸ばしたような間延び感があった。

 3冊。分量的にはこれくらいがちょうど良さそうだな。

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 最近全然インプット足りてないから、アマプラで積んでたドラマと映画片っ端から見るか。

 

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 Today's Tune

 米津玄師「Flowerwall

https://www.youtube.com/watch?v=Y4_vXzyOJHE